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先輩ナースへインタビュー「第7回」

 

Vancouver Coastal Health, Vancouver General Hospital, Neuroscience勤務の陽子さん

 

美加、始めまして陽子さん。陽子さんは次郎先生と同じく留学デスクの方で、概略やカナダへ来た動機などが書かれているので、重複するような質問は避けてインタビューを進めて行きますね。まず、渡加する前の英語のレベルはどれくらいでしたか?

陽子、私は英語が特別できたわけでもなかったし、英語学校にも行かなかったので、言うのが恥ずかしいぐらいの程度でしたよ。渡加前にトライしてみたTOEIC460点でした。

美加、と言うことはTOEFLに換算してみると、およそ456点ですね。私とあまり変わらないではないですか!私はこちらにきて10ヶ月後にしたTOEFLがそのあたりでしたから、陽子さんの方が出来たと言うことですよ(笑)。そこから語学テストにパスするまで、どういうことをしましたか?

陽子、私は特に英作文とスピーキングが苦手で、TOEFL CBT対策の学校に3ヶ月通いました。しゃべりの方はこちらで生活していくうちに徐々に伸びました。それでもTOEFL4回、TSE2回受けて、iBT方式に変わると聞いて、IELTSにスイッチしました。IELTS4回目で受かりましたよ。

美加、私はTOEFL11回、TSE4回、そしてIELTS1回目で受かりました。自慢じゃないですね。TOEFLiBT方式に変わってさらに難しくなったようですね。

 

 

美加、陽子さんは、医療英語の学校へも行かれたようでしたが、どうでしたか?

陽子、リフレッシャーコースに行きたかったのですが、資金不足でこの道を選びました。6ヶ月通い、一般の英語能力も上がったし、CRNE対策にもなりました。それに、同じ目標の仲間に会えることは心強かったです。今でもその人たちと連絡を取り合っています。講師がよかったし、楽しめるコースでした。

美加、今年からリフレッシャーは移民がないと入学を許可されなくなったので、外国人にとって、こういう医療英語のコースだけが頼りになってきましたね。

陽子、VGHVancouver General Hospital)にはIENプロジェクトと言う外国人の雇用促進のプログラムがあるのですが、これも移民がないと駄目だそうです。移民者の雇用促進に名前を変えた方が良いですよね。看護師不足と言いながらも、外国人看護師にとっては門が狭くなっている印象を受けますよ。

美加、私も同感です。CRNBCと移民者のみのリフレッシャーコースへの入学資格について話をした時も、同じようなことを感じました。横のつながりがなく、CRNBCは学校やCICとは全く無関係という立場をとるところが悲しいですね。移民がなければ、すべて自力でと言う時代になったと言うことですね。

 

美加、CRNEはどうでしたか?

陽子、私の時から筆記が加えられるようになりました。英作文が苦手なのは綴りミスが多いから。だからこの筆記部分で時間を取りました。答えはわかっていても綴りがわからなくて、言い回しを変えた回答もありました(笑)。

美加、日本の国家試験に比べて何が違うと思いましたか?

陽子、日本は疾病や実用的な看護の質問が多いのに比べ、CRNEは看護倫理や患者とのコミュニケーション、それに仕事場での労働環境の質問が多かったですね。

美加、労働環境の例を挙げてもらえますか?

陽子、例えば、職場で同僚がお酒の匂いをさせて出勤してきました。どうしますか?というような質問です。

美加、私もそのような質問を覚えています。それにこういう質問は就職面接の時にも聞かれますね。例えばケアエイドが患者を殴ったところを目撃しました。どうしますか?など、日本ではあまり聞かない質問ですよね。

 

美加、陽子さんは、RNになる前の250時間のカナダでの経験が課せられるようになってからですよね。語学テストが合格して、CRNE前に仮免許で就職を探すのはどうでしたか?

陽子、Vancouver Coastal Health, Fraser Health, Northan Health3箇所に申し込んで、Northanからすぐ連絡が入ったけれど、250時間のことなどを話すと、今までやったことがないので煙たがられてしまいました。だから次にコンタクトがあった、Vancouver の面接へ行きました。

美加、どこでも新しいシステムは煙たがられますね。私もサーレーで始めて雇われた外国人で労働許可証のことはちんぷんかんぷんで随分時間がかかりましたよ。この250時間にシステムが導入されてもう一年。今では前例があって受け入れ態勢が整っているといいですね。

陽子、私以外でもこれでVGHに雇われた人はいたし、他の病院で働いている友人もいますよ。就職は以前に比べ簡易になったのでは?と思います。

 

美加、この250時間の経験はUGNと同じようなシステムでしたか?

陽子、いいえ、UGNより独立することを求められますよ。普通に就職した人と同じようにHealth Authorityと病院のオリエンテーションが済んだら、Nuro Unit特別のオリエンテーションが5日間クラスでありました。そのあと病棟のオリエンテーションとしてバディシフトを2セット(8勤務)して、あとはメンターなどが付くことなく、他のRNと同じ仕事をしました。でも私は2セットのバディシフトでは不十分に思えたので延長を願い出て4セットしてもらいました。

美加、250時間といえば約8週間の勤務。4セットは約4週間だから、ほぼ半分をオリエンテーションとしてできて良かったですね。申し出れば必ずアレンジしてもらえる。そこがカナダの良いところですよね。

陽子、そうです。自分の力量のせいとかされないところが良いですよ。

美加、しかし、オリエンテーションの後は他のRNと仕事量が変わらないとは驚きですね。Under Superviseと書いてあったので、メンターがいるのかと思っていました。それにUGN23人ぐらいしか内科では受け持たないのに。他のRNと仕事量が変わらないと言うことは、自国での看護師としての経験を信頼されているのでしょうかね。

陽子、そういうことになるのでしょうか。でもこちらのシステムのことは何も知らなかったので、簡単ではありませんでしたよ。

美加、わかります。私もダイレクトで始めたものなので。医師から電話で指示を受けて医師の指示欄に代筆するなんて、慣れるまでに随分時間がかかりましたよ。日本だったら、病棟に来てください、といえば来てもらえましたからね。私の観察と報告を信用されてもらう指示、責任を感じますよ。

陽子、そうです。そこが日本と大きく違うところ。RNになった今でも電話オーダーには四苦八苦しています。薬の名前だって綴りがあいまいなことだってまだまだあります。

美加、だんだん慣れてきますよ。6年以上も働いている私だって、たまに綴りお願いします、と頼まなくてはならない時がありますから。ミスを起こすことに比べたら多少の恥は掻き捨てです。

 

美加、晴れてRNとなり、ビザや移民はどうでしたか?

陽子、ビザは仮免許での250時間のために労働ビザをもらいました。RNとなってからPNPに申し込み2週間でPNPがもらえ、その後すぐ移民を申し込み永住権をもらいました。病院の係りの人がお世話をしてくれたので、苦労することもなくスムースにいきました。

美加、と言うことは語学試験にパスして就職先さえみつければ、とんとん拍子ということですね。もちろん250時間をきちんとこなさなければなりませんがね。こういう点では2006年以前に比べれば楽そうですね。

 

美加、RNになって一番よかったと思うことは何ですか?

陽子、たくさんあって一つに絞れませんね。まず、休暇が多く給料も良い!そのお陰でVancouverを満喫できる。こちらの生活を一度知ってしまうと、日本の生活にはなかなか戻れないですよね。

美加、休暇と給料は誰もが口を揃えて言うことですよね。それでもこちらの他職種と比べればまだまだ改善される点があるので、もっとよくなって欲しいものです。こちらの生活の例を挙げてもらえますか?

陽子、働いているのに昼食をビーチで過ごす!生活にゆとりと潤いがあるのがここの生活です。

美加、わかります。カナダへ来て一年目、ビーチに戯れる人の多さに圧倒。みんな仕事がない人なんだと勘違いしたほどです。フレックス制など勤務時間帯を個人で調整したり、私生活を重要視していますよね。余談ですが、夫と付き合っていた頃、2時半過ぎには私に会いにくる彼を無職だと思っていましたよ。背広もカモフラージュかなと。でも聞いてみると朝7時から仕事をはじめ、昼休憩なしで働くとその分早く帰れるので、2時半には仕事場を離れることが出来るそうで。8時間勤務をしていても2時半以降はしっかりプライベートを楽しむ生活。日本じゃ絶対見受けることが出来ませんよ。

陽子、そうですよね、日本では仕事が人生の主を占めているようだけど、こちらは私生活がメインで仕事はほんの一部という姿勢ですね。それから、仕事のお付き合いがない!日本だったら仕事の後に一杯なんてことがあったけれど、こちらでは全くありませんね。

美加、そうですよ。仕事の同僚は仕事場だけのお付き合い。プライベートな時間に会ったり、電話をしたりなんてことも全くありませんよ。正直言って、昔こちらで働き出した時、就職すれば職場を通して友達が出来ると思っていましたが、それは全くの的外れな期待でした(笑)。

陽子、友達作りの点、私も同感です。仕事が人生の一部でしかないのだから、プライベートな時間を通して出来ていくものだろうけど、なかなか難しいと思っています。

美加、わかります。移民の国だけれど、幼馴染とか同級生、移民した時期が一緒など、共通項がある人が友達になりやすく、私たちのようにナニー制度を利用せず、ダイレクトでこちらの医療現場で働く人は少ないですからね。共通項を持っている人をみつけるのは難しいですよ。そういう視点からだと自分がこの国に根付いていないような気がして、つらい時期もありました。夫がいてもそれだけでは不十分でしたね。日本では仕事が人生だったから、仕事で自分の位置づけをしていたと思います、でもここでは仕事はほんの一部でしかないから、仕事以外に魅力のあるものを見つけるのが大切ですね。

 

美加、随分話がそれてしまいましたが、他にもよかった点がありますか?

陽子、私の病棟はとても年齢的に若い病棟ですが、風陰気が良く、働きやすいところです。看護師不足のお陰で看護師が足りないときもありますが、明るく楽しくやっています。勉強会も盛んだし、勉強会に参加すればその日の分の給与も払ってもらえるところが良いですね。こちらを知ってしまったから、日本もいつかこのようになって欲しいと思いますね。日本の看護師さんはよく働くし、忍耐強いと思いますよ。

美加、わかります。労働組合に守られた恵まれた環境で働いている安心感がありますよね。

 

美加、次の目標はありますか?

陽子、来年BCITHigh Acuityを受けてNeuroICUで働くことを目標にしています。実は今年行くように勧められたのですが、まだこちらに慣れていないような状態で行くのはと思い、見送りをしました。でも来年なら心の準備も出来そうだから。

美加、BCIT楽しいですよ。しっかり解剖生理や病理、薬理を学び、自信が付きますよ。目から鱗が落ちることばかり。それにレポートは生徒同士で助け合いながら書くことだって出来るし。こちらではグループワークを重要視するからね。頑張ってください!

 

美加、これから目指している人に一言お願いします。

陽子、私は資金不足で日本とカナダの間を行ったりきたりしながら語学学校へ通ったけれど、環境に身をおいたほうが上達が早いので、長期間こちらへ来ることを勧めます。そのためにはしっかり貯金をしておいた方が良いですね。私の例を忘れずに、英語が出来ないと怖気ずかず、諦めなければ必ず出来るということを信じて頑張ってください。

 

 

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先輩ナース in Canadaもくじ

Jan 2008ケベック州、モントリオール、MUHC Montreal Children's Hospitalで働いている、Makiさん

Vancouver Coastal Health, Vancouver General Hospital, Neuroscience勤務の陽子さん

インタビュー第1〜5回はE−book発売に伴いサイトから外しました。ご購読ありがとうございました。

 

 

 

                                                                      

                                                        

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